ロイヤルに入居してはや14年が過ぎました。5年目までは、描いていた通りのロイヤル生活。そのまま元気な私が、「老いていく主人の面倒を看る老後」の筈でしたが、「番狂わせ」が起きてしまったのでした。
超多忙で疲れ果てている65歳の主人を見ていて、早目の高齢者施設入りを決断したのでしたが、夫が驚異的な復元力で元気を取り戻したのとは逆に、元気なはずの私が転倒・大腿骨骨折という不慮の出来事で不自由な生活に突入したのでした。
活動的だった私は、車椅子での生活となったショックで精神的に不安定になり、落ち込み、周りの方々に当たったりした時期もありました。そして、入居者や職員の方々の優しさで心がほぐれてきた時に、私に元気を与えてくれたのは、音楽でした。「コーラスサークル」と「愛唱名歌を歌う会」への復帰に加え、新しくスタートした「映画音楽を歌う会」や「おしゃれな歌声喫茶」への参加は、時として折れそうになる心の支えになってくれました。
「歌ってなんてすばらしい力を持っているのだろう!」
自分より若い私を優しく励ましてくださる入居者の皆さん、娘や孫のような年のケアスタッフや看護師さんの「心配り」に対して、心からの「ありがとう」を言える自分、そして、主人には「ロイヤルを選んでくれてありがとう」と口癖のように繰り返していられることがうれしい毎日です。
多摩の丘から2019年秋号より